ホーム › 走る普通車を売る › 法人名義の車を売却する手続き
最終更新日:2026年10月6日
結論:自社所有の社用車なら、個人名義を挟まず法人のままで外部業者へ売却できます。まず車検証(または自動車検査証記録事項)の「所有者」欄で法人名・住所・車種を確認し、現在の法人印鑑証明書と一致しているかを照合するところから始めてください。
電子車検証は券面に所有者情報が印字されていないため、国土交通省の車検証閲覧アプリまたはICタグから出力した「自動車検査証記録事項」で確認します。車検証原本が手元にない場合は車両管理担当へ原本と記録事項の提出を依頼してください。紛失が疑われる場合は、買取先または申請窓口へ再交付の進め方を先に確認してから次に進みます。原本なしで名義変更を完了させることはできません。
手続きの根拠:普通車の移転登録:新潟運輸支局
ここでは登録中の車を中古車として売却する通常の手続きを扱います。車検切れ・抹消済み・解体を予定する車は必要な手続きが異なるため、その状態を売却先へ先に伝えてください。
移転登録(名義変更)に必要な書類は、旧所有者(売主となる法人)が準備するものと、買取業者が契約・精算のために確認する資料に分かれます。後者は登録の法的必須書類ではありません。
| 書類 | 確認ポイント |
|---|---|
| 自動車検査証(原本) | 有効期間内であること。電子車検証の場合は自動車検査証記録事項も用意する |
| 譲渡証明書 | 法人の登録印(実印)を押印。代表者個人の実印・会社角印とは異なる |
| 法人印鑑証明書(原本) | 発行日から3か月以内のもの1通。登録申請日を基準に期限を確認 |
| 委任状 | 代理申請の場合に必要。実印押印。受任者・対象車両・委任範囲を確認し、未記入欄は自己判断で埋めず提出先へ確認 |
押印前のひと手間:法人名・所在地・代表者情報は提出先が求める証明書の表記に合わせ、車台番号、譲受人、委任先・委任事項を確認します。空欄の意味や訂正方法が不明なら先に提出先へ質問し、承認を受けた内容で押印してください。社印を外へ持ち出せない会社は社内の押印申請日を確保し、控えを保存して追跡できる方法で原本を渡します。
車検証の情報と現在の法人印鑑証明書が一致している場合:登記簿謄本は一律必須ではありません。商号・住所が一致し変更履歴の証明が不要な場合でも、買取店が契約上の法人確認として登記事項証明書を求めることはあるため、提出目的を確認してください。
商号・住所に不一致がある場合:変更経緯を証明できる商業登記簿謄抄本等の追加が必要になります。詳しくは商号・住所変更への対応を参照してください。
以下は登録申請に法的に必須の書類ではありませんが、契約・精算・引渡しに必要な確認資料です。
譲渡証明書の記載方法は譲渡証明書の記載例、委任状の書き方は委任状ガイドも参照してください。
手続きの根拠:軽自動車の名義変更:軽自動車検査協会
軽自動車の名義変更は軽自動車検査協会で行います。手続きは「自動車検査証記録事項の変更」として申請し、手数料は無料です(ナンバー変更を伴う場合はナンバー代が別途必要)。
| 書類 | 確認ポイント |
|---|---|
| 自動車検査証(原本) | コピー不可 |
| 自動車検査証変更記録申請書(軽第1号様式等) | 協会窓口またはウェブからダウンロード可 |
| 申請依頼書 | 新しい使用者(変更がなければ現在の使用者)以外が手続きする場合に必要 |
| 住所を証する書面(新使用者または住所変更のある場合のみ) | 発行から3か月以内。下記参照 |
新使用者が法人の場合:商業登記簿謄(抄)本、登記事項証明書、印鑑(登録)証明書のいずれか1点(発行から3か月以内)で可。鮮明なコピーでも使用できます。これは売主側を含む全員に印鑑証明が必要という意味ではありません。
会社から役員個人への売却の場合:新使用者となる個人の住所証明(住民票の写しまたは印鑑証明書)が必要です。
車検証上の所有者(商号・住所)と現在の法人印鑑証明書に差異がある場合は、申請先への追加書類の提出が必要になることがあります。
確認の流れ:
登記に旧情報が記載されていない場合(閉鎖事項にのみ記録されている場合など)、閉鎖事項証明書等の追加要否は法務局または申請先へ確認してください。履歴事項全部証明書に必ずしも全変更履歴が記載されるとは限りません。不明な点は申請窓口または司法書士へ相談してください。
代表者変更のみのケースと、合併・分割など法人自体の変更が絡むケースは手続きが異なります。合併・解散・清算が絡む場合は一般的な売却手順をいったん止め、現在の登記内容と処分権限を申請先または司法書士へ確認してから進めてください。
代表者が交代しただけなら、所有者は代表者個人ではなく法人です。現在の代表者情報・法人の登録印・印鑑証明書を確認し、旧代表者の印や個人の印をそのまま使わないようにします。
残債やリースが残っている車両は、登録上の所有者がローン会社・リース会社になっていることがあります。その場合は所有者会社へ解除条件・解除費用・同時精算の有無を確認してください。完済したからといって名義変更が自動的に完了するわけではありません。詳しくは残債がある車を売る場合の解説も参照してください。
手続きの根拠:法人証明書の請求方法:登記・供託オンライン申請システム
書類を取得する前に、提出先(申請窓口または買取業者)へ必要書類名・原本か写しか・通数・期限の基準日・申請予定日を先に確認してください。確認してから取得することで、期限切れや通数不足を防げます。
日程管理の目安:たとえば10月6日に準備を開始して10月20日に登録申請予定であれば、すでに発行済みの書類の日付を提出先に伝えて「その日付で使えるか」を確認してください。申請日が延期になった場合は、登録予定日から改めて確認し直します。期限ぎりぎりの書類は、郵送や不備修正で申請が遅れる場合も考えて、取り直しが必要か確認しておきます。
手続きの根拠:利益相反取引の追加書類:四国運輸局
会社(売主)から役員個人(買主)への売却は、一般の第三者取引と書類の準備が一部異なります。また、機関設計に応じた社内承認と、価格設定の根拠確認が特に重要です。
車検証原本、法人印鑑証明書、法人登録印を押した譲渡証明書、代理申請なら委任状を準備します。会社情報に変更があればつながり資料、役員との取引なら下記の議事録等も確認します。
発行後3か月以内の個人の印鑑証明書と、代理申請なら実印を押した委任状を準備します。車庫証明の要否・省略条件、管轄変更に伴うナンバー変更と車両持込、申請書・手数料は申請先へ確認してください。これは普通車の案内です。軽自動車は軽自動車の必要書類で新使用者側の住所書類を確認します。
旧所有者と新所有者の一方が法人で他方が同法人の役員である場合、四国運輸局の案内では名義変更書類に法人の取締役会または株主総会等の議事録等の写しの追加提出が必要とされています。機関設計によって必要な承認機関が異なるため、社内法務と事前に確認してください。これは第三者取引でも行う社内稟議とは別の手続きです。 同一の役員がいる法人同士の移転も、各法人の議事録等を追加する案内があります。買主が法人だから第三者取引と同じと判断せず、申請先へ確認してください。
帳簿上の残存価額が1円であっても、売却価格を1円にしてよいとは限りません。国税庁の資料によれば、法人が役員に対して時価より著しく低い価額で資産を譲渡した場合、時価と譲渡価額の差額が役員給与(経済的利益)として取り扱われる可能性があります。消費税についても、著しく低廉な譲渡は時価をみなし対価とする規定があります。中古車の査定額等で時価の根拠を揃えた上で、時価の根拠・給与課税の要否・消費税の扱いを税理士へ確認してから契約してください。
以下の文例は編集部が作成した参考例です。実際の状況に合わせて編集してください。個人情報の送付前に送付先・方法を確認し、マイナンバー等の不要な情報は送らないよう注意してください。
件名:社用車売却に関する必要書類の確認
○○株式会社 ご担当者様
お世話になっております。下記の車両について売却を検討しております。手続きに必要な書類・通数・提出期限および費用について教えてください。
【車両情報】
・車種:(普通車 / 軽自動車)
・所有者(車検証記載):
・商号・住所の変更:あり / なし
・売却希望日: 年 月 日頃
【確認事項】
1. 旧所有者(法人)として準備が必要な書類名・原本か写しか・通数
2. 各書類の期限基準日(登録申請日 / 別途指定)
3. 登録完了の通知方法・完了証明書類の有無
4. 登録担当者のご連絡先
5. 費用の内訳(登録費用・手数料等)
6. 振込先口座の提出方法
以上、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
件名:社用車売却に関する経理処理のご依頼
経理ご担当者様
下記の車両について外部業者への売却を検討しています(契約済みの場合はその旨を記載)。承認・台帳・会計処理に必要な確認をお願いします。
【車両情報】
・車台番号:
・台帳上の車両番号:
・売却価格(税込): 円(税抜: 円 / 消費税: 円)
・経理方式(税込経理 / 税抜経理):
・売却時点の帳簿価額(経理担当者へ確認): 円
・課税区分の確認依頼:課税売上 / その他(ご確認ください)
・精算内訳:自賠責残存・リサイクル預託金・手数料等(別紙参照)
・契約日: 年 月 日
・引渡日: 年 月 日
・入金予定日: 年 月 日
・社内承認番号・稟議番号:
売却前には必要な承認と会計処理の条件をご確認ください。売却後は記録を残したまま固定資産台帳を売却済みに更新し、売却損益の計上をお願いします。
査定の窓口になること、会社を代表して売買契約を結ぶこと、名義変更を代理申請することは別です。担当者は社内の決裁・委任範囲を確認し、契約書へ署名・押印する人を先に決めます。登録用の委任状だけで売却契約を決める権限まで得られるとは考えないでください。
約束した入金日を過ぎた場合は、振込予定・振込先情報・契約上の支払条件を担当者へ書面で確認します。解決しない契約上の紛争は、契約書とやり取りを持って弁護士等へ相談してください。
業者選びの比較ポイント:査定額の最高値だけで選ばず、以下も比較してください。
複数の買取業者を条件で比較できます。法人名義に対応しているかどうかは各業者へ個別に確認してください。
売却先の比較・確認へ以下は一般的な情報の整理です。個別の税務処理は必ず税理士へ確認してください。節税の可否・還付の見込みについても同様です。
費用等を考慮しない単純な例では、売却価格と売却時点の帳簿価額(簿価)の差が売却損益になります。税込・税抜は会社の経理方式に揃えて計算します。簿価を上回れば売却益、下回れば売却損です。入金日だけで計上時期を決めず、契約書と引渡記録を経理へ渡し、売却の計上日と未収金処理の要否を確認してください。減価償却が必ず残存1円になるとも限りません。
事業用資産の売却は、売却損益の有無にかかわらず課税売上になります(国税庁 No.6145)。消費税は「利益が出た部分だけにかかる」わけではありません。
前提:税抜経理・課税事業者・車両本体売却価格 税抜100万円・消費税10万円・帳簿上の簿価60万円。リサイクル預託金・自賠責残存・手数料等は除外。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入金額(合計) | 110万円 |
| うち本体(税抜) | 100万円 |
| うち仮受消費税 | 10万円(消費税の納付額そのものではない) |
| 簿価 | 60万円 |
| 売却益 | 40万円(100万円-60万円) |
簿価が120万円であれば売却損は20万円になりますが、消費税の課税売上(100万円)は別途発生します。
仕訳例(上記条件・直接法・売却と同時に入金された場合):
借方:現金預金 1,100,000 / 貸方:固定資産 600,000、仮受消費税 100,000、固定資産売却益 400,000
免税事業者・簡易課税事業者・税込経理を採用している場合はこの例を流用しないでください。
リサイクル預託金の精算・自賠責保険の残存期間相当額・各種手数料はそれぞれ課税区分が異なる場合があります。内訳を出した上で経理担当者・税理士へ確認してください。未確認のまま課税区分を断定して処理しないようにしてください。
入口:車検証の所有者欄の商号・住所が現在の法人印鑑証明書と一致している。
書類:普通車の書類参照。旧所有者分(車検証原本・譲渡証明書・印鑑証明書・委任状)を準備する。
連絡先:買取業者へ文例①で書類・日程・費用を事前確認 → 経理へ文例②で処理依頼。
行き詰まり時:委任状の記載内容が不明なら提出先へ確認。書類の期限が迫っていれば申請予定日を伝えて使用可否を確認。
完了証拠:引渡受領書・法人口座入金記録・登録完了書類(車台番号・所有者を照合)・経理処理済みの固定資産台帳。
入口:車検証の所有者住所が古く、履歴事項全部証明書にその住所の記載がない。
書類:変更経緯を証明できる書類が必要かどうかを申請先へ先に確認する。閉鎖事項証明書の要否も含めて法務局・申請窓口に相談。
連絡先:まず申請窓口(運輸支局)または司法書士へ相談。確認後に文例①で買取業者へ必要書類を伝える。
行き詰まり時:変更履歴が追えない場合は司法書士に依頼して証明書類を揃える。
完了証拠:ケースAと同様。つながり資料の写しも一緒に保管する。 業者への確認文例へ
入口:帳簿上の残存価額が1円。社長個人への売却を検討している。
書類:役員個人への売却参照。利益相反に係る議事録写しが必要かどうか機関設計を確認。社長個人の印鑑証明書・車庫証明を準備する。
連絡先:税理士へ価格設定(時価根拠・給与課税の要否・消費税)を相談してから契約。社内法務へ承認手続きを確認。中古車の査定額を時価の根拠資料として取得しておく。
行き詰まり時:税務処理の判断がつかない場合は税理士へ相談。議事録の作成方法は社内法務または司法書士へ確認。
完了証拠:売買契約書・議事録写し・引渡受領書・法人口座の入金記録・名義変更完了書類・経理処理記録。
| 項目 | 確認 |
|---|---|
| 引渡受領書を取得した | □ |
| 法人口座への入金を確認した | □ |
| 登録完了が分かる書類・記録事項の写しを取得し、車台番号・所有者を照合した | □ |
| 固定資産台帳の売却済み更新・売却損益の計上を経理で処理した | □ |
| 売買契約書・精算内訳・書類の写しを保管した | □ |
| ETCカード・カーナビ設定・社内資料を回収した | □ |
| リサイクル預託金の精算状況を確認した | □ |
任意保険・駐車場・給油カード・ETCサービスの解約や変更も各契約先へ確認します。ナビやドラレコ等を別の固定資産として管理している場合は、車と一緒に売ったものと取り外したものを経理へ伝え、台帳との食い違いを残さないようにします。
完了通知が期限を過ぎても届かない場合:買取業者へ申請日・書類不備の有無・完了見込みを書面で確認してください。解決しない場合は売買契約書・委任状等の資料を持って行政書士または弁護士等へ相談してください。法定の申請期限と業者の約束とは別物です。
車台番号ごとに「書類準備状況・引渡日・入金日・名義変更完了」を管理する進捗表を作成してください。印鑑証明書等の書類を複数台で使い回せるかどうかは、通数・有効期限の観点から提出先へ個別に確認してください。
売却先の選定・比較にお役立てください。法人名義への対応状況は各業者へご確認ください。
売却先の比較・確認へ本記事は一般的な案内であり、法的助言ではありません。個別の手続きや税務については申請窓口・司法書士・税理士へご確認ください。
※ 情報は2026年10月6日時点の内容です。最新情報は公式サイト等をご確認ください。本記事はアフィリエイト広告を含みます。税務に関する記載は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務アドバイスではありません。具体的な処理については税理士にご相談ください。